KIN/キン 原題_Kin

私は毎週映画館へ足を運んでいるが、大作だけをみているわけではない。莫大な製作費の映画も素晴らしいのだが、無名の俳優や監督達の作る作品にこそ映画の新髄が描かれていると私は思う。この作品もまさにそうだった。途中までは、ありがちな兄弟のロードムービーにベタな近未来SFが所々顔を見せる程度だった。しかしながらラスト10分、気持ちいいほどの展開が待ちうけており、脳内がフリーズしながら幕が閉じられる。近年で言えば「カメラを止めるな!」のような衝撃で、日本人好みの内容だ。だがそもそも上映する映画館が限られており、テレビCMも無し、本国アメリカでも初登場12位、製作費の3分の1ほどの収益しかあげられなかった。それでもこの映画関係者に“最高の映画をありがとう。しっかりと日本にも届いているぞ!胸を張って映画を作り続けてくれ!”と伝えたい。始めから成功できるのはほんのひと握り、私もこれからの人生を「何度も失敗し恥をかき、それでも最後までやり続けよう」と思った。

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