ミスター・ガラス/原題 Glass 

“スーパーヒーロー”は実在するか? 3人の特殊な能力を持つ男を対象にした研究と、その恐るべき結末とは?(ウォルト・ディズニー・ジャパン

〓DATE

2019.1.27(日)Screen1(TOHO CINEMAS LALAPORT F)

〓FILMMAKERS

監督・脚本・製作 M・ナイト・シャマラン、製作総指揮 スティーヴン・シュナイダー 製作会社 ユニバーサル・ピクチャーズブエナ・ビスタ・インターナショナル 配給 ウォルト・ディズニー・スタジオ・モーション・ピクチャーズ(世界配給) ウォルト・ディズニー・ジャパン(日)

〓CAST

ブルース・ウィリス(デヴィッド・ダン)、サミュエル・L・ジャクソン(ミスター・ガラスことイライジャ・プライス)、ジェームズ・マカヴォイ(ケヴィン・ウェンデル・クラム)、アニャ・テイラー=ジョイ(ケイシー・クック)、スペンサー・トリート・クラーク(ダンの息子 ジョセフ・ダン)、シャーレーン・ウッダード(ミスター・ガラスの母)、サラ・ポールソン精神科医エリー・ステイプル)

〓閲覧制限
なし
〓ご注意
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〓概要

 M・ナイト・シャマラン監督作品の『アンブレイカブル(2000)』、『スプリット(2016)』の続編が本作だ。『スプリット』のラストにブルース・ウィリス(デヴィット)が一瞬出演しており「ミスター・ガラス」とつぶやき、本作に繋げている。

 この3作品に共通して感じるのは、ゆっくりと流れる時間だ。緊迫するシーンになってもゆっくりとじっくりと見せられるから、観る者の緊張度合いも長時間、手に汗握ることは覚悟しておいた方が良いだろう。

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 『アンブレイカブル』でデヴィットとその息子はデヴィットの特殊能力を自覚し、以来、陰の世界で被害者を救い、犯人を成敗してきた。ある日、解離性人格障害を持つ犯人(ケビン)が女子高生を監禁する事件が発生する。

 デヴィットは事件現場が近いと思われる地区へ行き、犯人(ケビン)が監禁潜伏している場所を発見、ケビンの別人格のビーストとの闘いになったところで二人は警察に取り囲まれ、精神病棟に送り込まれる。その病棟には『アンブレイカブル』でデヴィットの敵となった頭脳能力者イライジャもいたのだった・・・

〓cinemaeye

 ヒーロー映画は多数あるが、本作が描くヒーローやヴィランものの世界観は独特だ。世界の均衡を保つための勢力、特殊能力を持つ者を無力化すべく活動している合法的組織があるというものだ。本作に出てくる能力者はスーパーヒーローの様な圧倒的能力ではないから、拘束されるし、命も永遠ではなく、危険能力者とされればこの組織により合法的に抹殺されていく世界が描かれている。

 ヒーローがデヴィットのように分別ある普通の市民だけなら良いのだが、そうではない場合はとても危険な存在となろう。この観点からはこの様な組織はとても重要なものとなる。もし、「エージェント・オブ・シールド」のS.H.I.E.L.Dの様な組織があれば、デヴィットはメンバーに入っていたかもしれなかったのだが・・。そのS.H.I.E.L.Dの元長官ニック・フューリーを演じていたのはサミュエル・L・ジャクソン、今回はミスター・ガラス、悪役だ。

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 アニャ・テイラー=ジョイ演じるケイシーは、『スプリット(2016)』の事件から3年が経過し逞しい女性になっていた。現在はフィラデルフィア動物園に勤務している、そう、あの『スプリット』の事件現場だ。ケイシーはあれから強い女性になったということを表現しているのだろう。ケイシーを幼いころから虐待していた叔父には罪を償わせたとも語っている。

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 シャマラン監督はカメオ出演がスタン・リーさん並みにお好きなよう!『アンブレイカブル』でも『スプリット』でも出演があったが、本作でもカメオ出演が防犯ショップのところで見られます。

 サラ・ポールソン精神科医としてまたまた登場、先週に続いてまたお会いできたのだ。『オーシャンズ8(2018)』『ライ麦畑の反逆児(2019)』と比較的いい感じの役柄だったが、今回は腕に秘密結社の刺青があるちょっと恐ろしい感じの役を演じていた。

 エンディングはガラスの破片が上に流れていく、ガラス破片の中には『アンブレイカブル』や『スプリット』の文字が入っており、3部作になっていることを強く謳っている。
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