1917/命をかけた伝令 原題_1917

アカデミー賞の発表の影響もあり、映画館は連日大盛況の様子で嬉しかった。今作もアカデミー賞で大健闘をした映画の一つだ。ワンカットで2時間以上も走り続ける今作は、第一次世界大戦という厳しい環境のなかで、そこで生まれる恐怖と命の重みを教えてくれた。かつてはアメリカ人の白人のみがノミネートされるアカデミー賞が、アジア映画や黒人映画がアカデミー賞を獲ることの出来る時代になり、映画自体も新たなステージへ移り変わっていると私は感じる。日本でも『カメラを止めるな!』(2017)のワンカット撮影が話題となったが、ハリウッドでもホームビデオ風の主観映像で怪獣の侵略を体感する『クローバーフィールド/HAKAISHA』(2008)や前編一人称のアクション映画『ハードコア』(2015)、パソコンの画面だけで繰り広げられるサスペンス映画『search/サーチ』(2018)など、今までの手法とはまったく違う切り口の映画には、新鮮味があり大きな話題を呼ぶ。さらにVR用やスマホ(縦長)用の映画も製作予定であり、映画という娯楽の進化を日々感じている。スーパーヒーロー映画が大ヒットする時代の中で、流行の変化が激しい観客の求める映画を作ろうと心に決めた。

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