ボヘミアン ラプソディ/原題 Bohemian Rhapsody

伝説のバンド〈クイーン〉の知られざる感動の物語!

〓DATE

2018.11.11(日) 10:00  Screen10

〓FILMMAKERS

監督:ブライアン・シンガー、デクスター・フレッチャー 音楽総指揮:ブライアン・メイロジャー・テイラー 製作会社:20世紀フォックス 配給:20世紀フォックス 公開:2018.10.24(英国) 2018.11.2(米国) 2018.11.9(日本)

〓CAST

ラミ・マレックフレディ・マーキュリー)、グウィリム・リー(ブライアン・メイ)、ベン・ハーディ(ロジャー・テイラー)、ジョゼフ・マゼロ(ジョン・ディーコン)、ルーシー・ボイントン(メアリー・オースティン)

〓閲覧年齢制限

なし

〓 ご注意

以下の文章にはネタバレを含みますのでご注意ください。

〓概要

 クィーンのボーカル&ピアノを担当したフレディ・マーキュリーを中心に、バンド発足からフレディが亡くなるまでを描いた作品、アフリカライヴエイドでフレディと10万人の観客の大合唱となるコンサートシーンは圧巻、心が震える感動のラストシーンだ。

 「ボヘミアン・ラプソディ」の誕生が詳しく描かれる、演奏時間6分ではラジオは流してくれない・・、歌詞の意味が分かりにくい・・、オペラとロックの融合なんて・・、EMIの確実を狙うステレオタイプの方針とは意見が食い違う。しかし、メンバー全員が口を揃えて言う「過去と似た曲調の曲は作らない、それがクィーンだ!」、知り合いのラジオDJに「ボヘミアン・ラプソディ」を紹介して意見を求めたところ、6分の曲を流すのを心良く快諾してくれたのだった。

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 クィーンがメジャーになった頃から、フレディは自分がバイセクシャルであることを自覚し始める。メンバーは不快感を示すも、フレディは一人の時間を過ごすのがとても苦手だったようで、そんな夜はゲイパーティーを催していた様子が描かれている。やがてエイズに感染するフレディ、一時不仲になったメンバーとの関係を修復し、ライヴエイドの前にメンバーに感染を告白する。命の灯火を全て吐き出すようにして神がかりのパフォーマンスを披露するフレディ、観客にもその迫力が伝わり会場全体の10万人が一体化する、歌い切ったステージのラスト、フレディはママに約束した投げキッスをするのだった(実際の映像ではフレディは数回の投げキッスをしている)。

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〓cinemaeyes

 銀幕の画角が広がり、いよいよ本作の幕が上がる。20世紀フォックスの文字がいつものようにアップに映し出される、この時流れるいつもの20世紀フォックスファンファーレ、おおっ!本作ではいつもの吹奏楽ではない!そう幕明けから<クィーン>の世界に突入していく感じだ!

 クィーンのバンド発足は1971年、デビューは1973年、ボヘミアン・ラプソディーの全英9週連続1位は1975年、各自ソロ活動の開始は1983年、アフリカライヴエイドは1985年、フレディの死去は1991年11月24日でちょうどクイーン誕生20年目だった、ロック殿堂入りは2001年。

 重層録音シーンがある、重ね録りして音の厚みを増していた、これがクィーンのギターオーケストレーションだ、「クィーンはシンセサイザーを使ってないんだぜ!」は当時の僕らの会話だったことを思い出す。「ボヘミアン・ラプソディー」の収録シーンではロジャーがフレディからもっと高く、もっと高く! と注文をつけられ何度も何度も歌い直すシーンがある、クィーンの高音パート担当はロジャーなのだ。メンバー各人が作曲し、次のアルバムにはどの曲を入れるか、収益のメンバー配分はどうするか?のシーンがある、4人全員が楽曲を提供できることも多様な曲調を生む背景となった。

 観客の年齢層がいつもより上、中高年がとても目立つ。たくさん流れる名曲の数々、60歳代以上の老夫婦が手拍子をするのは微笑ましい。手拍子が曲のリズムとどうしても合わないがそこはご愛嬌、銀幕外での印象的なシーンだ。

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 フレディ・マーキュリー、本名はファルーク・バルサラ、フレディはインド系なのだ。7歳の頃からピアノを習い始める。ヒースロー空港で働いていたこともあり、本作ではスーツケースを運ぶシーンが見られる。

 本作では扱われなかったが、Teo Torriatte(Let Us Cling Together)(手をとりあって,作詞・作曲 ブライアン・メイ1976年)は、アルバム「A Day at the Races(華麗なるレース)」のラストに収録されているフレディの日本語を聴ける楽曲だ。 東日本大震災チャリティ・アルバム「 Songs For Japan(2011)」では、この曲がDISC2の13曲目に収録されている。コンサートでは6回来日、劇中にもTOKYOやOSAKAの文字が踊る。日本でもブレイクしたことで、クイーンは日本のことを大切に思ってくれているのだ。

 クイーンを結成して最初のステージシーン、ブライアンとロジャーが演奏を始めながら「あいつ、本当にやれるかな?」と心配そうにフレディを見つめている。フレディはマイクスタンドの位置を調整するがなかなか決まらない、やがてマイクをシャフトごと引っこ抜き、スタンドの呪縛から解き放たれたことでフレディはステージ上を自由に飛び回る。やがて、フレディの代名詞となるシャフト付きマイクの登場経緯を表現したシーンだ。  

〓IMPRESSION

 本作は是非、劇場で大迫力の音のシャワーを浴びて頂きたい!

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