アンクル・ドリュー/原題 UNCLE DREW

爺さん、半端ないって! ペプシのCMが青春コメディ映画に!

仲間も金も青春も、全部バスケで取り戻す

〓DATE

2018.11.10(土) Screen6

〓FILMMAKERS

監督 チャールズ・ストーン3世、脚本 ジェイ・ロンギーノ、製作会社 サミット・エンターテイメント 配給 ライオンズゲート(米国) REGENTS(日本)、公開 2018.6.29(米国) 2018.11.9(日本)

〓CAST

カイリー・アービング(現役NBA・オリンピック金メダリスト、アンクル・ドリュー)、シャキール・オニール(元NBA、身長216㎝空手家ビック・フェラ)、クリス・ウェバー(元NBA、ダックス)、レジー・ミラー(元NBA、ライツ)、ネイト・ロビンソン(元NBA、身長175㎝ブーツ)、リサ・レスリー(元WNBA・4オリンピック連続金メダリスト、マヤ)、リルレル・ハウリー(ダックス)、ティファニー・ハディッシュ(元恋人ジェス)、エリカ・アッシュ(ブーツの孫マヤ)、ニック・クロール(ダックスのライバル  ムーキー)

〓閲覧年齢制限

なし

〓 ご注意

以下の文章にはネタバレを含みますのでご注意ください。

〓概要

 幼い頃、マイケル・ジョーダンに憧れていた少年、日々スリーポイントシュートの練習を重ねていた。ある試合で得意のシュートを叩き落されて挫折、ストリートバスケットのコーチに転向していた。そんな矢先、自分のチームの選手達も恋人もバスケの宿敵に奪われてしまう。行き場を失っていた時、ストリートバスケで凄腕のおじいちゃんと出会う、おじいちゃんの仲間を各地に迎えに行きバスケチームを編成、ストリートバスケット(ラッカークラシック)で優勝するまでの物語だ。

 現在NBAで活躍中でリオ五輪バスケ金メダリストのカイリー・アービングと、元NBAのスター選手4人がおじいちゃんにメイクしてバスケの凄技神業を連発させる。このおじいちゃん達、皆70歳代くらいの設定で、老眼で目が遠かったり、長年の車椅子生活だったり、牧師だったり、空手道場の師範だったり、なのが、ボールを手にした途端にバスケットの超絶テクニックを解放するものだから、ちょっとTBSの「ニンゲン観察バラエティ モニタリング」も連想させるストーリーだ。 

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〓cinemaeyes

 お笑いの要素いっぱいのコメディ映画ともいえる本作、ダックス役のリルレル・ハウリー、元恋人ジェス役のティファニー・ハディッシュの二人は実績のあるコメディアン俳優だ。飛び出すマシンガントークは大阪芸人をも思わせる。

 劇中にはたくさんの名ゼリフや新しい格言が飛び交う、バスケット経験がある人にもない人にも、老後生活を送る人にも、アンクル・ドリューは映画を観る人すべてに対し、自らを振り返させるような優しい言葉をたくさん語りかけてくる。「常に光らなくていいんだ、光るのは1回でいいんだ」、「やるかやらないか選択するのは今だ」

 満員の観客席には、明らかに現役のバスケットボール部と思われる中学生グループや高校生グループが目立つ、部活の後なのだろうか? アンクル・ドリューは「バスケットへの愛」を多く語る、繰り出される超絶テクニックの前に、まずバスケットが好きなのだ。バスケが好きで練習を始める→できなかったプレーができるようになる→もっと好きになる→次のプレーもできるようになる→ますます好きになる→・・ この善のスパイラル、スパイラルアップはバスケット以外のすべての物事にも言えることだ。 まさに「好きこそ物の上手なれ」、「塵も積もれば山となる」。低迷続く日本男子バスケ界、たくさんの有望な若者が出て来て欲しいものだ。

 本作のキャッチフレーズのひとつが「爆発的人気のペプシCMがまさかの映画化!」だ。

 本作の主人公は誰か? 映画名が『アンクル・ドリュー』だから、それはドリューだろうが、映画を観てみるとダックスの方が主人公らしい気もする。これに似た典型例は「ドラえもん」だ、ドラえもんの主人公はあくまでものび太なのだ。ドリューが残り1分、ダックスに決めろと言ってコートに立たす。ダックスが決めたスリーポイント、本作はダックスが立ち直る再生のストーリーでもある。

 試合で優勝したらテスラが欲しい!の会話がある。自動車業界の中でテスラは高級車の位置付けだが、この会話からもテスラのアメリカ社会でのイメージが伝わってくる。

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