デス・ウィッシュ/原題 Death Wish

外科医から処刑人へー。家族を失った男の復讐が加速するハード・リベンジ・アクション!

〓DATE

2018.10.20 土曜日 Screen6

〓FILMMAKERS

監督 イーライ・ロス、脚本 ジョー・カーナハン、配給 ショウゲート

〓CAST

ブルース・ウィルス(ポール・カージー)、ヴィンセント・ドノフリオ(フランク・カージー)、エリザベス・シュー(ルーシー・カージー)、カミラ・モローネ(ジョーダン・カージー

〓ご注意

以下の文章にはネタバレを含みますのでご注意ください。

〓概要

 舞台はアメリカのシカゴ、犯罪件数があまりにも多く、警察の捜査は追いつかない。事件に遭った市民は警察が来るのは事件の後だとして落胆している。シカゴ病院で救急患者を扱う外科医カージーは次々と運ばれて来る救急患者を扱う外科医、シカゴの高級住宅街で妻、娘と共に裕福で幸せな日々を過していた。

 ある日、犯罪グループがカージーの自宅に押し入り妻と娘を襲う。犯人捜査が一向に進展しない中、カージーは銃を扱ったことがなかった状態から自らで犯人へ復讐すべく、徐々に準備を進めていく。

 やがて、犯人の手掛かりを探すため危険な夜の街に出向くようになり、事件現場に遭遇して市民を救う、その様子がSNSで拡散してしまい ′死神′ として賛否両論が沸き起こる、はたして ′死神′ は善か悪か?   スマホSNSYouTube、銃規制・・アメリカ社会の様子が描かれながらストーリーは壮絶なラストを迎える。

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 〓cinemaeyes

・銃規制について

 劇中、アメリカの銃規制の現状を目の当たりにすることになる。客で賑わう銃砲店、若い女店員がまるで日用品を扱うようにして説明をしていく。アメリカ製の最新式の銃、ナイフ、子供向けの銃、自動小銃、銃を所持できるまでの手続きは70時間程度だとして手際よく説明されていく。「講習さえ受ければ誰でも簡単にライセンスは取得できるのよ」と女店員が囁く、恐ろしいアメリカの銃社会だ。

 アメリカ合衆国憲法には武装権があり、これは個人が武装する権利との連邦最高裁の判決が示されている(Wikipedia)。

    日本では古くは刀狩りから、現在の銃砲刀剣類所持等取締法に至る歴史の中で所有が厳しく規制されてきたから、銃犯罪はアメリカより少ないのが幸いだ。歴史の授業で学んだ豊臣秀吉による1588年の刀狩令、今の日本人はこの恩恵にも預かっているのだ。

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・戸建てのセキュリティ

 この映画に登場するカージー家、高級住宅街にあり、犯罪が少ないからセキュリティをつけていない設定としたのだろうか?    大きなお屋敷で三人暮らし、しかも唯一の男は仕事で不在がちなのに、そもそも随分と不用心過ぎる設定なのである。 高級なBMWやポルシェカイエンを所有する裕福な家庭なのだから、月々のセキュリティ代など大した負担ではないはず。

 いや待てよ・・、もしかするとセキュリティ会社そのものが信用できないという設定だったのかもしれない、もしそうなると、シカゴはたいへんな犯罪都市ととなるのだが・・。

・シカゴ

 市内の特徴はビルの間を走る高架鉄道だ。 高架にあるホームとは階段で昇り降りするが、この光景は映画バットマンシリーズでもお馴染みだ。

・原作

 ブライアン・ガーフィールド狼よさらば(原題:DEATHWISH)」1972年 を元にしたチャールズ・ブロンソン主演『狼よさらば(1974)』のリメイク版が本作だ。

・原題

 原題の「Death Wish」、直訳すると「死の願望」となるが本作の内容とは直ぐには結びつかない。ブルース・ウィルスだから過去の作品からして先入観があるからだろうか? 

    最愛の妻を亡くし、娘を寝たきりにさせてしまった喪失感、無力感の日々を送る状態から脱し、自らの手で犯人へ復讐するという境地、自らが犯罪者を裁くという境地に至った時、Dr.カージーは自身の死など恐れなくなったのだろうか?    この境地がまさしく「Death Wish」なのだろうか?

イーライ・ロス監督

 日本では『ルイスと不思議の時計(2018)』も本作と同じ10月に封切りとなったが、この作品も同じイーライ監督だ。俳優業もプロデュースもこなす引っ張りだこの監督だ。 

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http://deathwish.jp