男はつらいよ/お帰り 寅さん

激動の2019年もあっと言う間に終わりを迎え、新しい年が始まった。日曜劇場「グランメゾン東京」のロスが激しい私が、元気を求めて行き着いた先は、やはり映画館だった。新年1発目に相応しいお正月映画と言えば、“寅さん”の愛称で知られる「男はつらいよ」シリーズだろう。「釣りバカ日誌」と並ぶ国民的映画だが、主演である渥美清さんが亡くなったことにより、長く途絶えていた本シリーズ。しかし私のように、寅さんを愛するファンや製作陣は、心のどこかで寅さんは生きていると信じていた。令和初のお正月に、監督の山田洋次が見事に花を添えてくれた。周りの観客達は当時の寅さんを見ていたと思われる高齢者の方ばかりだったが、小さい子供の姿もあった。実は中学生以下が全国どこでも100円で鑑賞できるのだ。寅さんらしい粋な計らいだ。私は初笑いを求めると同時に、ある疑問を解決したかった。ホームページによると、主演が亡くなったはずの渥美清になっているのだ。でもその疑問は劇中で徐々に解決されていく。当時のキャストが再集結し、寅さんの妹のさくら、その息子の満男と国民的美少女と呼ばれた後藤久美子のロマンスの続きを見ているうちに、やはり”男はつらいよ“は寅さんのお話なんだと気付くことが出来た。舞台となる葛飾・柴又には何度も足を運んできたが、寅さんと同じくなぜか帰りたくなってしまう。寅さんは今どこへ旅をし、次はいつ頃帰ってくるだろうか。私もこれから日々の生活に疲れたり、悩みを抱えた時、寅さんから人生を学び、元気をチャージしたいと思う。ー「いま、幸せかい?困ったことがあったらな、風に向かって俺の名前を呼べ。」ー車寅次郎

f:id:cinemaeye:20200229203601j:image