ジョジョ・ラビット 原題_Jojo Rabbit

私は戦争映画が非常に好きなのだが、私の周りには戦争映画が好きという人がいない。だがそれは嫌いなのではなく、目を背けたくなるほど残酷で重いテーマを受け止められるほど心の準備が出来ていないだけのように思う。しかし昨日、そんな人にこそオススメしたい1本と出会った。舞台は第二次世界大戦末期のドイツ。「ヒトラーユーゲント」の少年ジョジョは、空想上の友達“アドルフ・ヒトラー”と戦争を憎み平和を願う優しい母親と一緒に楽しく過ごしていたが、ある日家の隙間に母がユダヤ人の少女を匿っている事を知ってしまう…。ドイツが劣勢にも関わらず、明るくいつも笑顔のジョジョを見ていると、なぜだか私も笑顔になれる。大切なのは「愛」を心から感じ、分け与えることなのだ。日本人は自分の気持ちを中々出そうとしないため、愛を伝える人は少ないように思える。だがそれは人生を歩んで行く上で、とても重要な行動になり得ると思う。恥ずかしさがあるなら、ジョジョのように空想上に友達を作るのも良いかもしれない。笑顔や幸せは感情をつたって連鎖していくはずだからだ。

f:id:cinemaeye:20200229204832j:image

(Cinema Voyage)スター・トレック/ビヨンドをみた

スタートレックは未来の地球人を中心に宇宙を旅する冒険物語で、よくスターウォーズと比較されるが全くの別物である。私のようなスタートレック好きのことを“トレッキー”、スターウォーズ好きのことを“ウォーザー”というのだが、結局は腐っても異性から冷ややかな目で見られるSFオタクという事実を変えることはできない。多くの人が自分のスマホで様々なカルチャーを感じることが出来るようになり、オタクの在り方が変化しつつある今、映画の在り方すら変わろうとしている。今は映画を鑑賞するのではなく体感する時代となり、CGや特殊効果は当たり前、3Dはもう古いとも言われ、観客の映画に対するハードルが上がっている。そんななかでもスターウォーズスタートレックのように、世界中のファン同士が交流し熱い絆と未来への希望を持てるような映画を作ることが私の夢である。世界中のトレッキーよ「長寿と繁栄を」、世界中のウォーザーよ「フォースと共にあらんことを」!

f:id:cinemaeye:20200229204455j:image

ダウントン・アビー 原題_Downton Abbey

私は父の影響で映画が好きになったが、母から影響を受けたものもある。その一つが貴族物とよばれる上流階級の物語だ。一般人の立ち入ることが許されない未知の世界をみられる作品はとても勉強になる。ドラマ終了後のストーリーとあって、母のみならず世界中の人が公開を待ち望んでいたため、アメリカでも初登場第一位という快挙を成し遂げた。スケールアップした今回の劇場版では、ついに英国王室の人達がダウントンを訪れ、その対応に追われ数々の問題が起こるというお話。ロマンス、コメディ、スキャンダル、ヒューマンドラマといったジャンルミックスな展開で観客を飽きさせない。ドラマを見ていなくても単体の作品として楽しめ、評価の高さに納得する一作だった。
 f:id:cinemaeye:20200229203901j:image

フォードvsフェラーリ 原題_Ford v. Ferrari

デイトナフィニッシュという言葉を知っているだろうか?レースでゴールテープを切る際に、ワザと横に並びフィニッシュする専門用語だ。この作品はこの言葉が生まれるきっかけとなった、ル・マン24時間耐久レースを駆け抜けた熱き男たちの感動の実話だ。私が人生で初めて見た映画はディズニー/ピクサーの『カーズ』で、幼い時から豪快なエンジン音の中で死と隣合わせのスピードを出しながら戦う者たちに、私は憧れを抱いていた。男なら誰でも胸が熱くなるカーアクションに、企業間の争いや親子の絆という色とりどりの展開があり、クライマックスが進むにつれ、主人公達を応援したくなる正統派の映画だった。帰りの車がレーサー気分の中、Wikipediaで映画の一件を調べたが、4行程でまとめられてしまっていた。このように、あまり取り沙汰のされない「影のヒーロー」というべき者たちの映画をいつかは撮影したいものだ。

f:id:cinemaeye:20200229204105j:image

男はつらいよ/お帰り 寅さん

激動の2019年もあっと言う間に終わりを迎え、新しい年が始まった。日曜劇場「グランメゾン東京」のロスが激しい私が、元気を求めて行き着いた先は、やはり映画館だった。新年1発目に相応しいお正月映画と言えば、“寅さん”の愛称で知られる「男はつらいよ」シリーズだろう。「釣りバカ日誌」と並ぶ国民的映画だが、主演である渥美清さんが亡くなったことにより、長く途絶えていた本シリーズ。しかし私のように、寅さんを愛するファンや製作陣は、心のどこかで寅さんは生きていると信じていた。令和初のお正月に、監督の山田洋次が見事に花を添えてくれた。周りの観客達は当時の寅さんを見ていたと思われる高齢者の方ばかりだったが、小さい子供の姿もあった。実は中学生以下が全国どこでも100円で鑑賞できるのだ。寅さんらしい粋な計らいだ。私は初笑いを求めると同時に、ある疑問を解決したかった。ホームページによると、主演が亡くなったはずの渥美清になっているのだ。でもその疑問は劇中で徐々に解決されていく。当時のキャストが再集結し、寅さんの妹のさくら、その息子の満男と国民的美少女と呼ばれた後藤久美子のロマンスの続きを見ているうちに、やはり”男はつらいよ“は寅さんのお話なんだと気付くことが出来た。舞台となる葛飾・柴又には何度も足を運んできたが、寅さんと同じくなぜか帰りたくなってしまう。寅さんは今どこへ旅をし、次はいつ頃帰ってくるだろうか。私もこれから日々の生活に疲れたり、悩みを抱えた時、寅さんから人生を学び、元気をチャージしたいと思う。ー「いま、幸せかい?困ったことがあったらな、風に向かって俺の名前を呼べ。」ー車寅次郎

f:id:cinemaeye:20200229203601j:image

スター・ウォーズ/スカイウォーカーの夜明け 原題_Star Wars:The Rise of Skywalker

今年のホリデーシーズンの大本命が公開されると同時に、一つの伝説が完結した。しかしながら、題名に“夜明け”と付いているにも関わらず、“日暮れ”を感じさせるほど世間の反応は厳しいものだった。決してヒットしていないわけではなく、ネットに何でも書けるこの時代に押し込まれたように思う。私は大変満足し、一つの青春が終わった気がして、自然と涙が出てきた。私は世間に問いたい、そもそも40年以上も続くストーリーに新しさを求めるのは違うのではないかと思う。父から聞いた事だが、当時はストーリーがとても斬新で映像技術の進歩に驚いたそうだ。しかし今となっては、王道のSFに正義と悪の戦いというシンプルなストーリーととられてしまうのは仕方がないし、観客はCG慣れをしているため、マイナスな評価を受けるのも受け入れたくはないが、当然だろう。ここで大事なのは、そういった声や重圧のプレッシャーに負けず、批判の声も受け入れた製作陣の、ジェダイのような寛大な心だ。ファンとして、観客として、この精神をこれからも大事にしていきたい。そして、何十年も愛される新時代の映画を作るという私の壮大な夢を勇気づけてくれたスター・ウォーズに心から感謝したい。ちなみに、完結したのはスカイウォーカー時代であり、これからも映画、ドラマ、アニメなどから全く新しい話が生まれていく予定。

f:id:cinemaeye:20200229203014j:image

f:id:cinemaeye:20200229203032j:image

ジュマンジ/ネクスト・レベル 原題_Jumanji:The Next Level

いきなりだが、はっきり言うとB級映画を見ているようだった。しかしながら、CGもキャストも超一流なためかろうじてA級の肩書きは残せているようだ。ファミリーや友達、カップルにおすすめな何も考えないで見るべき1作だった。実はこの作品には多くの日本人スタッフが関わっている。なぜならソニー・ピクチャーズが配給、製作を行なっているためで、エンドロールにもしっかりと多く名前が載っていた。今年、ソニー・ピクチャーズは膨大な量の映画を公開したものの、ほとんどが大コケしており、関係者の気持ちを考えると涙が出て来る。例えば、主役も場所も一新した「メン・イン・ブラック/インターナショナル」コメディ路線で過去のオマージュも多く、私は好きな作品だったが、やはり“あの2人”がいなければこのシリーズは成立しないのだろう。そして、最後のアベンジャーズから直接繋がる「スパイダーマン/ファー・フロム・ホーム」は大成功だったのだが、ディズニーと共同製作のためソニー側の収益は半減し、ディズニーの恐るべき力を見せつけられた。しかし、「ワンス・アポン・ア・タイム・イン・ハリウッド」のようなCGに頼らない後世に残るような良作も生み出しているので、今後は成績より中身の詰まった映画を期待したい。ちなみに、私が楽しみな来年のソニー作品は、オバケ退治の専門家チームのその後を描く「ゴースト・バスターズ/アフターライフ」。日本人として、そしてファンとして、ソニー・ピクチャーズをこれからも応援し続けたい。

f:id:cinemaeye:20200229201402j:image