ヴァレリアン 千の惑星の救世主/原題 Valerian and the City of a Thousand Planets

〓FILMMAKERS

監督・脚本 Luc Besson(『グラン・ブルー(1988)』『レオン(1994)』『フィフス・エレメント(1997)』など)、原作 1967年 作Pierre Christin & 画Jean-Claude Mezieres バンド・デシネ(仏版マンガ)「ヴァレリアンとローレリーヌ」、製作 Virginie Besson-Sylla、製作総監督 Mark Gao、製作会社 EuropaCorp(代表取締役社長 Luc Besson)、配給 🇫🇷EuropaCorp・🇺🇸STXFilms・🇯🇵キノフィルムズ、公開 🇺🇸2017.7.21・🇫🇷2017.7.26・日本2018.3.10、上映時間 137分、制作国 🇫🇷フランスなど

〓CAST

Dane DeHaane(ヴァレリアン、『アメイジングスパイダーマン(2014)』)、Cara Delevingne(ローレリーヌ、『スーサイド・スクワット(2016)』)、Clive Owen(フィリット司令官)、Rihanna(踊り子バブル、『バトルシップ』『オーシャンズ8』)、Ethan Hawke(客引きJolly)、Herbie Hancock(国防長官)、Kris Wu(ネザ軍曹)

〓概要

 宇宙空間でのドッキングシーンと、ドッキング後の宇宙飛行士同士の挨拶シーンがアップで映し出される。1975年から700年後迄のドッキングシーンと挨拶シーンが移り行く。ドッキングされる側が変わっていく、最初のアポロとソユーズからISSへ、さらに大型化したことでやがて地球軌道を離れ、深宇宙の超巨大宇宙ステーション(アルファ)へと成長していく。ドッキングする側も変わっていく、最初は人類だったが、深宇宙への移動の中で様々な宇宙人がドッキングを求めてくるようになる。

 サブタイトルの「千の惑星」とは「千の惑星から来た宇宙人が住む都市、超巨大宇宙ステーションアルファ」を指す表現だ。何せ、3,000万人もの宇宙人が寄り集まる超巨大なステーションなのだ。ある宇宙戦争により、高等生命体(パール人)が暮らすある平和な星が消失した瞬間、宇宙連邦捜査官のヴァレリアンは何らかの感覚を受け取り、アルファ内の放射線汚染で閉ざされた一角へとその感覚に導かれるようにして向かっていく。

 この作品、リュック・ベッソン監督の壮大な世界観、宇宙観が伸び伸びと描かれている。エンドロールに流れる ILM(インダストリアル・ライト&マジック)、WETAデジタル、などによる最新のVFXが発達した今だからこそ、この作品の製作が可能となったのだ。何せ原作自体が『スター・ウォーズ』にも多大な影響を与えたというSFコミック「ヴァレリアン」だから力があるのだ。

 とても魅力的で豪華な役者がキャストに選ばれた。ヒロインの目力強いカーラ・デルヴィーニュとヒーローのデイン・デハーンは恋人同士になれそうでなれない二人にぴったりのハマり役だし、ジャズピアニスト ハービー・ハンコックやローレリーヌの窮地を救うことになるリアーナも登場、アジアからは中国系のクリス・ウーがアルファを守る大活躍を見せる。それにしても、デイン・デハーンの低いかすれ声、とてもしびれます。

 映画『ヴァレリアン』シリーズ、続編が待たれる。少し成長したカーラ・デルヴィーニュとデイン・デハーンにスクリーンの中で再開してみたい。

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〓cinemaeye

・時代背景

 722年後の2740年、『STAR WARS』 の世界観と同じく、宇宙のあらゆる種族がアルファで暮らしている。行き当たりばったりにドッキングしながら巨大化したアルファは無骨な形だ。捜査に際しては『AVATAR』の様にアバターも使用する技術が進歩している。

・宇宙人

 登場する種族の数はもの凄い多さだ。コンペも用い世界中のデザイナーから提案された宇宙人も登場しているという。冒頭のドッキング後の宇宙飛行士同士の挨拶シーンからこの作品に引き込まれてしまう、何と人類が挨拶する相手が次第に宇宙人になっていくのだ。

・宇宙服

 動きやすそうな宇宙服、ヘルメットも宇宙服の中に収納されている。未来の宇宙服はデザイン的にもカッコ良く、軽量で、現代のものよりもずっと進歩しているのだ。

・会話型人工知能(AI)

 その名は「アレックス」、ヴァレリアンとローレリーヌは「アレックス」のバックアップのお陰で数々の難局を乗り越えていく。現代の「Siri」や「Googleアシスタント」の未来版だ。″ハーイ、シリ!″、″教えて、グーグル!″の未来は「アレックス」にまで到達するのだ。

・ローレリーヌのピアス

 シンプルで美しいデザイン、でも何かに引っかかりそうで気になります。

・原作コミック

 日本は世界に誇るコミック大国だし、経済大国だ。ヴァレリアン以上の作品を制作できる素地は十二分にあるはず。何とか制作できないものだろうか?

〓リンク