クリード 炎の宿敵/原題 Creed Ⅱ
〓DATE
2019.01.14 SCREEN8(CINEPLEX)
〓FILMMAKERS
監督・脚本 スティーブン・ケイプル・Jr、製作総指揮 ライアン・クーグラー、脚本 シルベスター・スタローン & チェオ・ホダリ・コーカー、製作 ウィリアム・チャートフ&アーウィン・クーグラー、製作会社 メトロ・ゴールドウィン・メイヤー 配給 ワーナー・ブラザース(日)
〓CAST
マイケル・B・ジョーダン(アドニス・クリード)、シルベスター・スタローン(ロッキー・バルボア)、テッサ・トンプソン(ビアンカ)、フィリシア・ラシャド(メアリー・アン・クリード)、ドルフ・ラングレン(イワン・ドラゴ)、フロリアン・ムンテアヌ(ヴィクター・ドラゴ)、ブリジット・ニールセン(ルドミラ・ドラゴ)
〓閲覧制限
なし
〓ご注意
以下にはネタバレを含みますのでご注意ください
〓概要
『ロッキー』シリーズの主役たちは年老いて、その子供たちに受け継がれた宿命の対決の物語、本作のテーマは『家族』、それぞれの家族の繋がりが対比されて描かれる。
リング上の試合シーンは圧巻、本当に顔面に、ボディに、ヒットしている。顔面各所からの出血もとてもリアルだ。
〓cinemaeyes
脚本が良くできている。『ロッキー』シリーズがスタートしてから42年、本作は延べで言うと7作目に当たるスピンオフ作品だが、この相当な時間を武器にして強力な脚本に仕上がっているのだ。『ロッキー』シリーズの圧倒的なネームバリュー、シルベスター・スタローンの強烈な存在感、父から息子へ受け継がれる宿命、これらを上手く、有機的につなげて自然で無理のないシナリオに仕上がっている。シルベスター・スタローンをはじめとする関係者全員が『ロッキー』シリーズをとても大切にしていること、誇りをもって接していることが感じられるのだ。
アドニス・クリードのボクサーとしてのデビューの仕方は凄い、前作『クリード チャンプを継ぐ男(2015)』では、昼間はワイシャツ&ネクタイで投資銀行か証券会社らしき金融機関で働き、趣味でボクシングをしている風のところから、昇進を告げられた会社を辞め、プロボクサーになる決意を固めていくのだ。『ロッキー(1976)』でのロッキー・バルボアの取り立て屋をしながらの落ちぶれたボクサーとは、出自がまるで違うのだ。ヘビー級タイトルマッチのような至高の闘いの場で勝つためにはハングリー精神が重要な要素ではないか?と思うのだが、そこはアドニスの生まれがアポロの愛人との子供であることから世間の目を見返そうという思い、父アポロ・クリードの敵討ち、そして本作のテーマ「家族」のため(血の繋がりがない母に認められたい も含む)、に置かれている。
ヴィクターは余りにも強すぎる、練習内容からしてアドニスの比ではない。こんなヴィクターのようなボクサーはかつて実在した。スクリーンを観て思い出すのは、背は低いが、まさに野獣という表現がぴったりの マイク・タイソン だ。全盛期だったヘビー級チャンピオン時代はとにかく強い、強すぎた。当時はこんな野獣のような人間を放置しておいたら何をしでかすか分からない と不安さえ覚えたくらいだった。
1876年に建設されたフィラデルフィア美術館の正面玄関の階段は ロッキー・ステップ と呼ばれる。実際にロッキーの銅像も置かれ、ロッキーの聖地となっている。前作「チャンプを継ぐ男」ではラストにこの階段をアドニスとロッキーのふたりで登ったのだが、今作ではこの聖地をドラゴ父子に登られ、まるで聖地を踏み荒らされたような気分にさせられるのだ。これはやがてアドニスがドラゴに叩きのめされることを予見するような象徴的なシーンとなっている。フィラデルフィアは フィリー と愛着をもって呼ばれており、ロッキーもビアンカから「ロッキーはフィリーだもね」と呼ばれる。
タイトルマッチの入場シーンはとても重要、相手を圧倒するように格の違いを示すかのように様々な思考を凝らす、そして今回の目玉はテッサ・トンプソンの「I WILL GO TO WAR」、アフレコでなければその歌声はまるでプロ歌手、こんな入場観たことないのだ。
リング上の死闘が終われば叫ばねばならない。かつては「エイドリア~ン」、今回は叫んだ感じはないが言ってくれました「ビアンカ~」、良かった・・・
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